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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第18章 くりすますをあなたと(三成)


愛様は、なぜ私に嘘を…

いえ、わかっています。きっと本当の事を言ったら、私が気を使うと思ったのでしょう?
でも、違うんですよ、愛様…
私は、あなたの喜ぶ事なら、なんでもしたいのです。
貴女の寂しげな顔は見たくない…

今頃、佐助殿とどんな話をしておるのでしょう。
どんな顔でくりすますをしているのですか?
貴女にとって大切な日を…
なぜ、私とではなく、佐助殿と…




ズンズンと歩く政宗に半ば引きづられながら歩く三成は、
心ここに在らずの状態だった。

「政宗様、やはりやめませんか…」


「何でだよ!お前、嘘つかれてたんだぞ?」



嘘…
嘘なのでしょうか…
そうですね、嘘は嘘でしょう…でも、それにはきっと…




葛藤を繰り返しているうちに、茶屋についてしまった。
店の向かい側に身をひそめると、店先で驚くほどのんびりと団子を食べる二人の姿があった。




「政宗様…
本当にくりすますというのは、特別なものなのですか?」


「あ、あぁ…なんせ、愛本人が言ってたんだからな…」


「でも、これはどう見ても、普通にお団子を召し上がってるようにしか…」


特段変わらないいつもの笑顔と、全く読めない無表情。
そのチグハグが、何かを話しながら、のんびりと団子を食べる、
なんとも言えない光景を目にして、二人はしばし黙り込む。



すると、佐助が何かを懐から取り出すのが見えた。



「おい、佐助が何か渡してるぞ」


「え?あ、本当ですね…そういえば、
くりすますぷれぜんと、と言うものを用意していると言っていました」


「ここからじゃよく見えねぇな…よし、三成、
裏口から入って後ろの席に行くぞ!」


「え?流石にばれるんじゃないですか?!」


政宗は有無を言わさず、三成を再び引っ張り歩き出した。



どうにか店に入ると、愛と佐助が見える後ろの席についた。


「よし。ここなら声も聞こえる。
何を渡してんだあいつは…」
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