第84章 ジャックダニエル
頬をそっと撫でられると、嬉しそうにちゃんがその手を包み、指先へ口付ける。
「はせべの手、好き。骨張ってておっきくて好きだよ。」
「そうですか?あるじを抱き締める為にあるんですよ‥?」
「ふふ、赤ずきんちゃんみたい。」
指先、掌、手首まで口付けをして、次はどこにしようか?と笑う。
次に首元へ手を掛けてシャツのボタンを外していく。長谷部君を見詰める視線や肌を滑る様に動くその手付きに見入ってしまう。
「はせべの喉元も、鎖骨も好き。」
喉仏をぺろりと舐めて鎖骨を甘噛みしてから、長谷部君の目を見たまま舌を胸骨に沿って下へ這わせ、鳩尾にチュッと口付ける。
「はせべの音、この落ち着く音も好き。」
胸に手を置き、耳を付けたちゃんはとても幸せそうだ。