第84章 ジャックダニエル
「この鼓動も心も、俺の全てはあるじの‥だけの物ですよ。」
「うん…私の、はせべ‥」
首に腕を巻くと、強く抱き合い、何度も何度も唇を重ねる二人。途中、長谷部君がうっすら笑いながら僕を見たけど、どうでもいい。
もうちゃんしか見えないんだよ。
その聞いた事無い程の甘い声に、蕩けた瞳に、深く口付けた時の苦しそうな息にどうしようもなく興奮してる。
こんな光景見たくない。だけど、長谷部君が手を差し込んだ服の裾から覗く薄い腹や、舐められて光る肩が僕を誘うんだ。
「はは…こんなのって‥」
ちゃん、今の僕は格好悪いだろ?情けない事に君を見ていただけで、身体が熱くて仕方ないんだよ。
触れたい。、僕も君に愛されたい。