第84章 ジャックダニエル

「おいし？」

「う、うん。」

嬉しそうに自分もまた一粒口に含むと、長谷部君に向き直る。

「はしぇべ、あーん？」

「…は、え？」

「しゅめー‥」

恐る恐る、あ、と口を開けた長谷部君に口付ける。

角度を変えながら口付けをするちゃん。ちゅっちゅっと舌を吸う音がすると、長谷部君が堪らず口を離す。

「あ、るじ…食べ過ぎと注意したのに‥」

「ふふ‥はせべ、おいしー。」

目の前でちゃんがキスをしてる。

なのにどうしてかな、辛いと思うより、ぞくぞくしている自分が居るんだ。うっすら色付いた唇をぺろりと舐めるちゃんの何とも妖艶な事…

それから目が離せない。

もう一粒口に入れると、終わっちゃった‥と呟いた。