第82章 想いのカタチ
「二人とも立派になりました。良かったですね、主。…今剣、小夜、そいつ等を頼む。」
『ほーら、ちゃんと!ですよ?さん、はいっ!』
はぁ、と溜め息をついた明石がこちらを向く。
『どうも、すいまっせん。明石国行言います。どうぞ、よろしゅう。いちおー、自分、来派の祖の出なんですけどなぁ、基本、なぁーんもやる気せーへんので。ま、お手柔らかに。』
この眼鏡め‥と、若干苛ついた声で呟く主を宥めるていると、不動が甘酒を揺らしながら座り直す。
『……ひっく。俺は不動行光。織田信長公が最も愛した刀なんだぞぉ!どうだ、参ったかぁ〜!』
にっ、と笑いながら俺を見る。くそ、不動の奴、本当に覚えておけよ‥
「怒らない、怒らない。長谷部を最も愛してるのは私だから!ね?」