第80章 特別
「…そう言う訳で、私は明日の朝まで、ずっと長谷部と一緒にいるからね!」
居間へ戻り、夕食の支度をする燭台切達に宣言する主。
「僕は良いよ、今日は主ちゃんを独り占め出来たからね。」
「ほお、じゃあ俺はちょっくらお邪魔しようかね。二人かと思ったら三人居ました、なんて驚きだろ?」
冗談だ冗談!と、無言の主の顔を見た鶴丸が逃げて行く。
「主殿は今日は随分と甘やかされたい様ですな、それなら私も得意なんですが。」
「一兄、また今度だ。」
随分と聞き分けが良いな、最初からそうして手出しせず大人しくしておけば良いものを‥
「………おい、出来たぞ。皿を配れ。」
隣へ来て手を握った主が、良かったね、と笑いながら見上げてくる。