第77章 幼心
「お、何だ?うちの眷属が来たのか?また賑やかになるな!」
気を付けて行ってこいよ、と手を振り一期ー振の後を追う。
「…そう言うわけだ、良いな。行くぞ?」
「皆でお出かけ?うれしーねー!」
こちらを見上げて笑うに釣られて頬が緩む。子供は嫌いじゃない、猫みたいなもんだ。
玄関へ行けば、どこからか持ってきた靴を自慢気に履いてみせる。
「お靴履くの上手いねって、先生に言われたの。」
「長谷部君、この靴は?」
「俺達が借りている部屋の、子供の足の模型に履かせてあった。少し大きいが大丈夫だろ。」
……猫部屋以外出入りしないが、ここにはそんな物まであるんだな。