第73章 帷
「高校は、あまり知ってる人が居ない場所を選んだ。だからね、また友達が出来て、楽しく通ってたんだよ?…なのに何でかな‥きっと私、男運ないの。」
乾いた笑いをして、冷たい声で淡々と続ける。
「隣の組の男子から、告白されたの。一目惚れしたんだって言われた時は正直喜んだよ。…けど、それは度が過ぎる恋愛感情だった。私や、私の周りに対して異常な関心を抱き、執拗につけ回して迷惑や被害を与える。携帯電話を勝手に奪って連絡先を全部消された事もあった。……そうなると私はまた一人だよ。」
ふふ、と聞いた事のない位に冷たく笑うちゃんは、もう泣いてはいなかった。