第17章 名を呼べば
「ああ、約束する。今度こそは絶対に格好よく決めるから、ちゃんと見ててね?いつかちゃんが、僕の事が好きで仕方なくなるくらいにさせてみせるから。」
「もぉ‥いつも格好いいよ。」
前に僕がしたように、繋いだ手を膝に乗せると手の甲をぺチッと叩いた。
ふふ、本当に良かった。
嫌われてもないし、ちゃんが危ない目に合う事もない。それどころか、こうやって名前も呼べるんだ。
じわっと心が温かくなる。なんだか不思議と懐かしいよ、この温かくなる感じ。いいね。
叩いた手を掴んで引くと、あっさりと僕の腕の中に収まった。