第93章 白妙
そんな怖い顔しないでよ、と苦笑いする燭台切を睨む。
「僕も良く解らないけど、これが主ちゃんからの指示なんだよ。べーってしてね?って、可愛く言われたらしないわけにいかないだろ?」
「舌を出す事がか?舌なぁ‥白い、さくら、の…舌?下?」
桜の方を見てもやはり誰も居ないし、下にも‥ん?待て、何だ?桜の下に何か置いてある。さっきは無かったのに…
「長谷部君、大丈夫?主ちゃん見付かりそうかい?」
「あぁ、まだ確信は持てないがな。見付けて、捕まえてくる。」
「ふふ、そっか。主ちゃんも待ってるって言ってたから、早く行ってあげると良いよ。頑張ってね!」
立ち上がり、桜を見上げた俺に、燭台切が最後に良いかい?と言葉を掛ける。
「長谷部君、この桜、何て種類か解るかい?」