第93章 白妙

「それってさ、俺はどうせ信頼されてないんだ！って不安感があるから、そうしちゃうんだよね。だとしたら、私のせいじゃん？」

「え、いや、どうしてそこで主のせいになるんです？」

「私は長谷部の前の主にはなれないよ。でも、負けないって気持ちはあるんだ、それが伝わってないって事は私の力不足だったんだよ。」

うんうん、と一人納得した様に頷いて、また電灯をぐるぐると回す。

「だから、伝えたかった。私は君を大切に想ってるし、信頼もしてるんだよーって！それを伝える為には何が一番かなって考えたら、笑顔だったの。」

「笑顔、ですか？」

「笑ってるの見ただけで落ち着いたりしない？警戒したり苦手な相手には笑えないし。」

…まぁ、確かにそうだな。本心からの笑みは敵意が無い時にしか出来ない。