第93章 白妙
「いつもこーんな怒ったみたいな嘲笑ってるみたいな顔してさ、せっかく格好良いのに勿体ないなって思ってたの。そんな長谷部がさ、戦場から帰って手入れ部屋に居た時初めて笑ってるのを見たんだ。」
「俺はそんなに笑えていませんでしたか?」
「うん、今とは別人ってくらいね!…でね、怪我して血が流れてるのに笑ってる長谷部を見て、この子は自分を武器だとしか思ってないんじゃないかなって感じたの。使われてこそ!みたいな‥だから主命が無ければ自分の存在意義を見出だせない、自分の存在価値を確かめたいから無理にでも頑張ってるんだろうなって。」
ごめん、自分で言ってて解らなくなってきた。と腕組みをして足元を見詰める。
主は俺をそんな風に思っていたんだな、だとしたら、どうしてそこで嫌気が差したりしなかったんだろうか…?