第93章 白妙
「あ!主、お帰りぃ〜。どうだった?良い場所あった?」
「うん、凄く綺麗な桜があったんだよ!ね、みっちゃん?」
歌仙と大倶利伽羅が運んでいた重箱を、風呂敷で包む燭台切が頷く。
「ああ、きっと皆喜ぶよ!」
「…それで、どうする?組分けをするんだろ?あの新しい粟田口の短刀を入れて五十四人だ。少人数と言っても均等に組んで九人では多い。‥難しくはないか?」
山姥切の言葉に、そうだねぇ‥と、腕を組んで居間に居る面面を見回す。
「主殿、私達粟田口は向こうへ行った事のある者もおりますし、まとまって行きますよ。ただ前田は三条の皆様に付いてもらおうと思います。」
「お、なら三条の爺達と鶯は俺に任せろ!今剣と前田は夜目が効く、それに三日月と獅子王は向こうは初めてじゃない、勝手は解るさ。」
一期一振と鶴丸がそう言うと、主が頷いて指を指す。