第92章 夜桜
「歌仙、主達が戻られたぞ。どうも手伝いを連れて来たらしい。」
「手伝い…えっ、俺?」
僕達の横を抜け暖簾を潜った長谷部君が、ちらっとこちらを見て笑いながら、信濃君の手を引く。
「おや…主も居たのですか。」
「はぁ〜面白かった。アンタも、もー少し早く来たら凄いものが見れたのに残念だったねぇ?」
「うん…凄かった、ぶんぶんいってた。胡瓜が飛ぶんだよ。」
あ、さっきの緑の物体は胡瓜だったのか。何かと思ったよね、普通、天井すれすれまで飛ばないし。
「太郎太刀、なら次はこれを炒めてくれないかい?主も驚くぜ?」
「あ、それうちの畑の大豆だよね!」
「ふんふん、大豆も甘辛く炒めると良いつまみになるんだよねぇ〜兄貴、頼むよ!」