第92章 夜桜
源義経公の愛馬、青海波君の蹄の手入れをしていた今剣君が顔を上げる。
「はい!いわとおしがくれたんですよ。たんとうたちには、ちいさいどうぐのほうがあつかいやすいだろーって。で、ぼくはてあわせおわったから、せいがいはのおていれですっ!」
「偉いね、皆とても良い顔をしてるよ。」
「馬だって、俺達が言いたい事はちゃんとわかってくれるんだよ。」
「ふふ、そっかぁ。浦島君は馬に何て言いたいの?」
そう言いながら、主ちゃんが浦島君の手入れしていた三国黒君を撫でる。
「え?そうだなぁ、いつもありがとー!とかこれからも元気でいてくれよー…とか?」
「そっかそっか、私が本丸の皆に思ってる事と一緒だね!」
頷いた主ちゃんを見た浦島君や物吉君、今剣君が顔を見合わせて嬉しそうに笑う。