第92章 夜桜
「え!?まさか青江君、小烏丸さんにもやらせたのかい?」
「ふふ、彼、凄く激しいんだ。……賽子の出目の事だよ?今まで簡単なのを三回やってもらったんだけど、クリティカルとファンブルしか出してないんだ。おかしいだろう?」
「その賽は、十面なのに二つの面しか出ない。不思議な事もあるものよな。」
主ちゃんの顔をまじまじと見ていた小烏丸さんが、満足した様にこちらを向く。
「子らと遊びに興じるのも父の役目だ。‥主達もお祓いか?」
「そうなのかい?何か困り事があるなら言ってごらん?」
「違う違う、困り事じゃなくてお誘いだよ!」
小烏丸さんと石切丸さんが同時に首を傾げたのが可笑しかったのか、青江君が吹き出す。