第88章 四月一日
「今日はね、鱈のホイル焼きにしてみたの。玉葱と、しめじと水菜がね〜?って‥あの、どうしたの?長谷部?」
あの時は、馬鹿げた事だなと言った俺に、夢が無いんだから!と怒っていたが…乱の言っていた事も、悪くないかもな。
あ、くんって付けるの忘れた!そう言って笑う横顔を見ていると、胸が温かくなる。
『相手を支え、信じ、常に優しさと思いやりで相手の隣こそ自分の安心出来る場所になる様にする。相手を尊重し、傷付けず、広い心を持ってお互いが努力し、時には我慢して、他とは比べず、どんな時でも自分達の愛を信じていく。それが結婚なんだって!!』
「長谷部?口に合わなかった?おーい?」
「…今、誉の褒美が思い付きました。」
「は?えっ??」
予想外の台詞に、きょとんとする主の鼻の頭をつつく。