第88章 四月一日
「なんか、初々しい感じで名前を呼んだら喜ぶぞ!とかなんとか…」
でも初々しい感じって何だろねぇ?と、味噌汁を器に装いながら首を傾げる。
「ね、長谷部‥くん?」
俺を見上げ、少し照れた様に微笑んでいつもとは違う呼び方をされると、自分で自分の顔が一瞬で赤くなったのが解る。
「なっ!?‥は、はいっ!」
「わっ!赤い!!あはは、長谷部さん、のが良かったかな?」
少しからかう様にそう言って、ころころと笑う姿に、どうして自分ばかりがこんな気持ちを‥と、少し悔しくなり、思わず言い返す。
「俺も同じですよ、あいつの手紙にそうありました。…さん。」
あぁ、呼び捨ての方が良いですか?そう最後まで言い終わる前に、目の前で真っ赤になり顔を隠す主。
くそっ!言ってから恥ずかしくなってきた!何だこれ!!