第88章 四月一日
扉を開け、居間へ向かうと、朝食を作る音と、良い匂いがしてくる。
しかし静かだな‥あいつ等は何をしてるんだ?
「あ、おはよう。手紙見た?」
「おはようございます、すみません寝過ぎた様で…手紙、は‥」
改まって名前で呼ぶなんて、恥ずかしいじゃないか。真名を頂いてからも俺は殆ど呼んだ事など無いのに。
「…あ、えっと、手紙は俺だけにだったんですか?」
「え?あぁ、私も貰った。半日、ひとつなぎの大秘宝を探してくるから帰らないぜ!俺は海賊王になる!…って。」
世界征服じゃないじゃんねー!と、笑いながらフライパンの中身を皿へ移す。
「はぁ、まぁ鶴丸らしい…ですよね。」
「うん、あと名前で呼べって。」
自分も手伝おうと袖を捲り上げたまま、思わず固まる。