第88章 四月一日
エイプリルフール…ははっ、確か前にそんな事を言っていたな。
不思議そうに見上げている主に紙を差し出すと、紙に目を落とし、呆れた様に溜め息をつきながら笑う。
「鶴丸のばぁか。結局思い付かなくて言っちゃってるし…」
「ふふ、安心しましたか?」
こくりと頷いて、安心したら眠くなった。と、目を擦る主が俺の手を引く。
「一緒に寝よ?」
「はい、せっかくあいつ等公認で俺だけの主になったんです、一秒足りとも離してあげませんよ?」
唇を尖らせ、頬を染める。まったく、可愛らしい方だな。
ベッドへ横になった主の髪を撫でていると、俺の胸に擦り寄り、皆ずっと一緒だよね?と呟く。
「ええ、勿論。ずっと一緒です。」
これからもずっと、最期のその日まで、その先だって俺は主と一緒です。一緒に連れて逝って下さいね、主…