第87章 国宝指定記念日
「「料理係は、歌仙と堀川でしょー?あと、山伏、山姥切、宗三。……あれ、山姥切は??」」
「「ここにおるぞ!兄弟、主に挨拶せねば。もう観念したらどうだ?」」
「「‥別に良いだろ、もう今日の俺の役目は終わった筈だ。」」
布切れで顔を巻き、膝を抱えた山姥切の旦那が壁に向かって座っている。
「まんばちゃん、ちょっとだけだから‥ダメ?伝えたい事もあるし…」
「「主か、写しの俺に何の用だ。」」
包丁を置いた大将が、手を拭きながらこちらへ来ると、パソコンの前に座り込んだ。
「遅くなっちゃったけど、実はまんばちゃんにも近侍曲あるんだ。だから、帰ったらプレゼントするからね?皆と仲良くして待ってて欲しいな。」
布から覗く目が、少し嬉しそうに見開かれる。あぁ、そういえば山姥切の旦那も大将の鍛刀で来たんだったな。
山姥切の旦那にも、そういう気持ちがあるんだろうか?