第85章 暦
椅子に腰掛けたままこちらを向くと、そうなんだよ!と親指を立てて手を握る。
「…で、どうした?」
「いや、凄い記念日だよ!九月に重要文化財指定日あるけどさ。彼、あんなだけど国宝だよ!?」
‥特別に対して、あんな、とか言うか?何があったんだ昨日。……で、その国宝がどうした。めでたいのは解ったがどうしろと?
「あれだ、長谷部の誕生日をしたいんだとさ。」
「…国宝になったら誕生日なのか?」
「鶴丸!伽羅ちゃんのまともなツッコミが辛いよぉ!‥とにかくお祝いがしたいの、協力してくれない?」
椅子から転がる様に飛び下り走ってきて俺の手を握る。
「ねっ?後生だからよぅ…」
なんだそれ。まぁ、あんたが楽しそうなら俺は構わないが‥