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ゾルディック家の愛され長女

第10章 天空闘技場


マチが出ていくと、何か視線を感じる。言わずもがなそれはヒソカだった。私はヒソカに聞いた。

「なんで、カストロに私が妹だって言ったの? それでマチ、勘違いしてたじゃん」

「あぁ、やっぱりそうなんだ♡」

くくくと笑うヒソカ。私は呆れた顔をし、自分も部屋を出ようとした。

「………わっ!?」

しかし、何かに引っ張られるような感覚がし、私は背中から座っているヒソカにぶつかる形となった。私は暴れたが、ヒソカがしっかりと私を抱いていて離さない。

「もー!!なに!!」

ヒソカの能力は知っているが、急にされては心臓に悪い。それにキルのこともある。あんだけ怒っていてさらには、私が戻っていないと知ると、手がつけられなくなるほどキレられそうで、正直今すぐにでも戻りたいのだ。

「そんなに暴れられると、腕が取れちゃうよ♡」

そういえばそうだったと、私は暴れるのをやめた。せっかくマチがつけてくれたのに、再びちぎれてしまっては意味がない。

「くくく♡」

暴れるのを止めた私に、満足そうにヒソカは抱きしめる力を強めた。………何がしたいのかさっぱり分からない。

「………ホントだ♡キミ、綺麗な群青色の瞳なんだね♡」

キルアとは違うんだねと、ヒソカは顔を近づけてそう言った。それを確かめるためにこんなことをしたのか…。本当に掴めない人だ。

「そうだよ。キルの目は空色だからね。父様と一緒。私はそれより少し濃いの」

私が溜息をつきながら言うと、

「ボクはキミの目の方が好きだけどね♡」

と微笑むヒソカ。深くにもときめいてしまった私は、ヒソカの手を逃れるように軽く頭を振った。落ち着け。これは罠だし、冗談だ。いつもの軽口。その証拠にもうすぐオチが…………

「ゴンとキルアを混ぜた色みたいで、食べちゃいたいくらいゾクゾクするよ♡」

ほらきた。
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