第10章 天空闘技場
「はい。終わり」
私はマチさんの縫合が終わるまでじっと待っていた。胸は興奮でいっぱいだった。終わったとわかると、私は彼女に聞きたいことを口に出そうとした。しかし、
「団長からの伝言」
と、何やら大事そうなことを言いかけたので、私はお口をチャックした。ヒソカもマチさんの話に耳を傾けた。
「8月30日、正午。暇な団員改め、全団員、ヨークシンシティに集まれだって。これ来なかったら、団長直々制裁に来ると思うから、気をつけな」
大きな仕事になるよ…そうマチさんは言った。私は頷き、ヒソカはニコリと笑った。
「それは怖い♡ ところで、この後食事でもどうだい?」
ヒソカのお誘いに、マチさんはげんなりとした顔をした。
「なんで仕事以外であんたに付き合わなきゃいけないの。それはそこにいる妹にでも聞きな」
妹!? まさか…あのときの言葉で………。慌てる私だったが、帰るのか荷物を手にしたマチさん。
「あ…マチさん!!」
私は思わず彼女を呼び止めた。マチさんは私をみて
「マチ、でいいよ。それと敬語もなし。いいね、アルミ」
と笑いながら言った。……私の名前……。その笑顔と言葉に、私も団員のひとりだと認めて貰えたようで、嬉しくなった。
「はい!!…あ……うん!!またね!!マチ!!!!」