第10章 天空闘技場
「おい!! 二人の会話が聞こえねぇぞ!!!!」
だが、後方列でも人の波は人の波。私は興奮する彼らに押しつぶされそうになった。い、息ができない……!!
「……あんたね。あいつがいないと自分の身も守れないのかい?」
呆れた声が聞こえたかと思うと、私は急に息が軽くなるのが分かった。
「…………マチさん!?」
恐る恐る目を開けると、目の前にマチさんの顔があった。どうやら助けてくれたようだ。そして私は気づいた。
「わっ!? あっ。ありがとうございます!!」
「…別にいいよ」
私はマチさんにいわゆるお姫様だっこをされていたのだ。慌ててマチさんにお礼を言って、降ろしてもらった。顔が火照るのが分かる。同じ女の人なのに!!!!
「あ、えっと……どうしてここに…? ヒソカの応援ですか?」
私は誤魔化すために慌ててマチさんに尋ねた。私の言葉にマチさんは嫌な顔をし、
「なんで私があいつなんかの応援しなきゃいけないのよ。仕事よ仕事」
と言った。マチさんは副業をしているらしく、ヒソカに依頼されてここにいるらしい。
「それより、話が終わったみたいだよ」
「え?」
マチさんが見ている方に私も目をやると、カストロがヒソカに向かって走り出すところだった。