第10章 天空闘技場
「どこかでお茶でもしようか♡」
私はヒソカに引きずられながら、はぁっとため息をついた。流石にヒソカのこのマイペースぶりにも慣れてきたみたいだ。
「競技場に行った方がいいと思うよ。というか、行こう」
キルの怒った顔が目に浮かぶ。私は、帰りたいような帰りたくないような気持ちがしながらも、そう言った。
「くくく♦それもそうだ」
意外にもヒソカは、方向転換し、競技場へと足を向けた。私は自分で歩けると言った時、あの時の公園を通っていることに気づいた。自由になり私は早足で歩き始めると、
「ねぇ♦」
ふとヒソカに呼び止められ、私は振り向いた。
「キミ、ゴンとキルアの元にこのまま戻るのかい?」
ヒソカの問いに私は首を傾げた。何を当たり前なことを聞くんだろう、と。
「キミと過ごすこの1ヶ月、とても楽しいものだった♡ ボク自身、驚くくらいにね」
不意にニコっと笑うヒソカ。私は益々訳が分からなくなった。
「楽しかった?」
この一ヶ月。私が見ている限り、ヒソカが楽しそうだったという時は、人と戦っているときだ。大体、ヒソカと行動していたと言っても、殆どは別行動。私の修行中は、別の人と戦い。情報収集中は、やはりマスターの店で1人ジュースを飲むだけ。ホテルでの行き帰りは、早足で行ってしまう。
……………どこが???
「♡」
私はジト目でヒソカを見た。……これは何か企んでいる。そう思えてならなかった。
「そんな目で見るなよ♡興奮するじゃないか」
「アルミ!!!!」
ヒソカが私に1歩近づこうとした時、聞き覚えのある声が私の名前を呼んだ。