第10章 天空闘技場
「………アルミ」
団長さんが私に初めて声をかけた。
「はい」
「お前の能力を教えてくれ」
団長さんの言葉に私は頷いた。その件に関しては、イル兄から許可は貰っている。ただし、必要最低限のことだけだという条件付きでだ。言葉は選ばなくては…
「私の能力の名前は『あったりなかったり』。物を直したり、人探しをしたりなど色々できます。それに……あ、すみません。それ借りてもいいですか?」
私は近くにあった先ほどの死体を指さした。
「ああ」
「ありがとうございます」
そして私は能力を使った。多分口で言っても分かってもらえないだろうから。たしかこれ、使うのは3回目くらい。1回目でイル兄に使用禁止にされて、2回目がこの間のハンター試験、で3回目がこれ。
「ゴホッ…………え………お、おれ………なんで生きて………」
すると、先ほど死んでいたはずのその人は息を吹き返した。これには、その場にいたヒソカと私以外の全員が驚いた様子だった。
「………フェイタン。お前、ちゃんと殺したんだろーな」
「私がそんなヘマするように見えるカ?」
フェイタンという人は、再びその人の頭をはねた。コロコロと転がっていく頭を見て、私は団長さんの方を向いた。