第10章 天空闘技場
「うっわ!!!! ミケみたいなの連れてる人がいる!!!! ねぇ、ヒソカ!!あの動物って………あれ?」
しばらくぐるぐると見回っていた私たちだったが、ふと隣を見るとヒソカがいなくなっていた。
「…………はぐれちゃったか」
まぁ、この街にいることは確かなのだ。能力を使えばすぐに見つかるので、私はあまり気にせず、観光を続けた。
「すみません。これと……あ!!あとこれも下さい」
私はヒソカから貰ったお金で、色々なものを買い、そしてボリボリと食べながら歩いた。
「行儀が悪いって怒られるな」
思わずこみ上げてくる笑いを噛み締めながら、私はブラブラと街を歩き回った。
ドンッ
ふと、誰かにぶつかってしまい、私はお菓子を、その人は本を落とした。
「あ、すみません」
私は慌てて本を拾い、その人に渡した。
「いや、こちらもよそ見をしていましたから。すみません」
ぶつかった人は、とても好青年だった。落としたお菓子のお詫びに、別のお菓子を買ってくれ、さらにはずっと気になっていた動物のことも教えてくれたのだ。
「ありがとうございました!!」
私はお礼を言い、いい人に会ったと上機嫌でヒソカを探し始めた。
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「………ふむ。面白そうな能力だな」
そんなアルミの後ろ姿を眺めながら、男は髪の毛をかきあげたのだった。