第10章 天空闘技場
「ヒ、ヒソカってば!!」
1人でさっさと降りてしまうヒソカに、私は言い続けていたことを再び口にした。
「私、本当に駄目なんだって!!」
早足で行くヒソカに、私は小走りでついて行った。案内を任された従業員さんも大変そうに、私の後ろに付いていく。
「何が?♦」
ヒソカはとぼけたように私の言葉に疑問で返した。それはどこか面白そうに聞こえ、思わず私は声を張った。
「な、何がって……その……あ、相部屋が!!!!」
「キミ、試験中普通に雑魚寝してたよね?♦」
「それとこれとは話が違うでしょ!!!!!!」
私の言葉にピタッと足を止めるヒソカ。私も足を止めた。するとこちらに来て、顔を近づけた。
「ということはボクのこと、男として意識してくれてるってことかな?♡」
これには、参ってしまった。思わず後ろに下がり、ヒソカを見れず目線は下に行ってしまう。顔に熱がこもるのが分かる。言葉を言おうと口を開いたが、何も出てこず、ただパクパクとするだけ。
「くくくくく♦ 冗談だ♣️ 本当にキミは面白いね」
しきりに笑ったあと、ヒソカはくるりと前を向き、再び早足になった。私はその姿から、からかわれたのだと気づき、顔を覆いながら、その後をおった。従業員さんは、げんなりしたのか、ため息を一つついていた。