第10章 天空闘技場
「ヒソカ、携帯返して」
「ダメ♡」
もう何度このやり取りを繰り返しただろうか。私はため息をついた。あんな切り方をして、キルは今頃心配している事だろう。それに彼のことだ。変な方向に暴走してないといいが…。しかし、どうやらその用事が済むまでは返してくれそうにない。
「ヒソカ、女の人の話途中でほっぽり出してきたけど、いいの??」
私は諦めて、用とやらを早めに終わらせることに決めた。しかしその前に気になっていたことを尋ねた。女の人は出ていくヒソカを別に止める様子もなく、
「ここの代金、アンタに付けといてもらうから」
とだけ言い、マスターに注文していた。
「あぁ♦マチには話を繋いで貰うだけだからね」
彼女の用はあれで終わりとヒソカはサラリと言った。
「……全然了承してもらえてなかったけど……」
繋いでもらうだけって………ヒソカと彼女のことなんじゃ…
「ヒソカ。その…あまり口を挟むべきじゃないのは分かってるんだけどさ………もう少し彼女の気持ちも考えて…………」
「あぁ、ほら着いたよ♣️」
私の言葉を無視し、ヒソカは立ち止まり、前を指さした。