第10章 天空闘技場
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「くっそ!!!!!!!!切りやがった!!!!!」
俺は受話器を思いっきり叩きつけた。変な音がしたがそれどころでは無い。姉貴が……姉貴が危ない!!!!!!
「キルア。アルミ見つかった?」
全治4ヶ月のくせに風呂に入っていたゴンが、髪を拭きながら聞いてくる。俺は頭を抱えながら、
「………姉貴が…姉貴が危ない」
と繰り返し呟いた。ゴンは俺の言葉にハッと顔色を変え、どういう事か聞いてきた。
「お前が風呂に入った直後に姉貴の携帯に電話したんだ。その時は何故かすぐ切れたんだけど、その後何度かかけ直したら、やっとさっき出たんだ。そしたら………ヒソカの野郎と一緒だった」
「ヒソカと?なんで??」
「そんなの俺が聞きてぇよ!!!!あいつ、姉貴に用があるとかで……1ヶ月俺のとこには返さねぇって言いやがった!!!!!!」
俺はゾワリと身を震わせ、再び頭を抱えた。ゴンはしばらく考えた様子だったが、
「でも、ヒソカと一緒なんだから、心配はいらないんじゃない?」
と、何故かほっとしたような顔をした。お前…ヒソカが今までどういう奴か知らねぇわけじゃないだろ!?!?!?!?
「馬鹿っお前!!あのヒソカだぞ!!何するか分かったもんじゃねぇよ!!!!!!」
それにヒソカは"用事"という気になることも言っていた。……いい歳した男女がすることって言ったら………
「ゴン!!!!俺………あいつを兄貴だなんて絶対呼びたくねぇからな!!!!!!!!!!!!」
俺の言葉にきょとんとするゴンだった。