第10章 天空闘技場
「やぁ♡遅かったね」
ヒソカのところに戻ると、女の人の姿があった。何やら楽しそうに雑談している。私は二人の邪魔をしないように、立ち去ろうとした。しかし、ヒソカの目は私に止まったようだ。
「あ…うん。キルから電話があって。ヒソカ、申し訳ないけど、私そろそろ戻ら…………」
「アンタがヒソカの連れ? 」
女の人がこちらを向き、私を見た。キリッとした目、整った顔立ち。まさしく美人の部類に入るだろう。私は慌てて首を振った。
「あ…そうなんですけど、そうじゃないって言いますか…その………私、今から帰るので…」
二人の邪魔をしてはいけない…そう思い、私は立ち去ろうとした。しかし、
「そうだよ♡ 可愛いでしょ」
その前にヒソカに腕を掴まれてしまった。
「はぁ……。あんた、そっちもいけたのね」
「くくく♦」
この場面は見覚えがある。母様の好きな恋愛漫画でよくあるシーンだ。元恋人と出会いを果たし、昔はこうだったと話す場面。………やはり私は誰がどう見ても、邪魔でしかない!!!!