第10章 天空闘技場
「お嬢ちゃんみたいないい子がこんな所に来ちゃダメだよ?」
「そうそう。おじさんたちに何をされても文句言えないよな」
「恥ずかしいことしてもらおうかな」
ニヤニヤとこちらに歩みよってくる男の人たち。この人たちが、妨害したということだろう。
「なにしてる?」
私が息をひとつ吐こうとしたとき、通路の奥から声が聞こえた。
「あ?邪魔すん……あ…」
男の人たちは、その声をかけた人を見て動揺した。
「俺の店で好き勝手してぇなら金を払え。さっきから大したもんも注文しねぇで、下手な踊り踊って、今度はガキ相手に随分楽しそうだな?おい」
「ひっ」
どうやらマスターが仲裁してくれているようだ。男の人たちは、先ほどの様子と打って代わり、ビクビクと体を震わせている。
「それにそのガキに手を出すのは止めとけ。ヒソカの連れだ。殺されるぞ」
「ヒ…ヒソカ!?」
「あの野郎来てるのかよ!?」
慌てて我先にと、外へ飛び出す男の人達。
「ありがとうございました。」
私はマスターにお礼を言った。なんだか、よく分からないが、ヒソカはどこでもヒソカなのだと分かった。
「…………ヒソカと親しいみてぇだが、勘違いはすんなよ。あいつは親切な奴じゃねぇぞ」
そして、私に懐から出した名刺を渡すと、スタスタと戻って行った。