第10章 天空闘技場
私はそのやり取りを聞いて、マスターが情報屋だということに気づいた。なるほど。ここがヒソカの情報源だったわけだ。
「何が知りたい?」
ヒソカはマスターの問いに満面の笑みで答えた。
「彼女の弱み♡」
「ふー……。なら、これだな」
深く息を吐くと、手で何かを示したマスター。ヒソカは何も言わず、懐からお金を取り出して、彼に渡した。
「………ユリ・チャンプには、家族はいない。だが、生粋の男好きだ。それは今の年齢になっても変わらない。若い男を見つけては、お金で買い、飽きたら裏で売っているのさ。だが、そんな彼女にも決して手放さない側近が一人いる。そいつに接触してみるといい」
ユリ・チャンプって……………確か50歳超えてたよね。…ふむ、女は何歳になっても若くいるもの…という自分の言葉をそのまま体現しているというわけか。
「金持ちが考えることは分からないなぁ」
「お前の方が、分からないと思うがな」
「くくく♦ それで?」
ヒソカはさらにお金を渡した。マスターは話を続けた。