第10章 天空闘技場
ヒソカに連れてこられたのは、一軒のお店だった。そこに行く間に、多少面倒な人に会ったけど、まぁいつもの手で何とか難は逃れた。
「…………来たのか」
中に入ると、ここの店長さんだろうか…その人がヒソカをちらりと見て苦々しそうな顔をした。
「…………うちは未成年者はお断りしてるんだがね」
そして私をちらりと見ると、ヒソカにコップを渡した。
「そうなの?結構出入りしてるように見えたんだけど♦」
「馬鹿言うな。昔とは違うんだ。ここもいつ移転するか分かったもんじゃない」
「それは大変だ♦」
何やら楽しそうに談話している。私は辺りを見渡した。お店は大きく、人が奥の方には多くいた。さらにはステージみたいな場所もあり、皆楽しそうに踊っている。
「お前が来ると客の入りが悪い。さっさと用を済ませて出ていってくれ」
「ボクも一応お客様なんだけど♦」
ヒソカはとりあえずと言って、お酒を2つ頼んだ。しかし、マスターは私をちらりと見て、
「変態馬鹿が。子供にそんな度数死んじまうぞ。ガキにはこれで十分だ」
と、甘い香りのする飲み物を注いでくれた。
「へー♣ キミにそんな気遣いができたなんて意外だなぁ」
「常識くらいは俺にもある。で?今日はなんで来た? またいつもの"趣味"ってやつか?」
「まぁね♡ 念導師に、ついて教えて欲しいんだ」
「…………ユリ・チャンプか。そいつはまた、えれぇもんに目をつけたな」