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フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第5章 glass heart【赤葦京治】



一度リバースしたこともあり、水分を摂りながら程々に休めばだいぶ気分も落ち着いてきた。

「あの…本当にすみません。ご迷惑おかけして。もう大丈夫そうです」

「そう?戻る?」

「はい」

二人で立ち上がると、赤葦さんがコーヒーの空き缶と私が飲み干したペットボトルを捨ててくれる。
部屋までの通路を歩きつつ、コッソリとその姿を見上げてみた。

今日の四人の中では一番背が低いらしいけど。
それでも、成人男性の平均よりは遥かに大きいと思う。想像以上に頭の位置が高い。
派手じゃないけど顔だって整ってると思うし、何より初対面の私にこんな気遣いしてくれるし。
きっとモテるんだろうな…。



みんなのいるカラオケの一室に入る。
部屋の中に響く光太郎さんとテツさんの歌声。
酔ってるのか、肩を組んで熱唱している。

「赤葦さん帰ってきた!なぁに?汐里と二人?怪しいー!」

だよね…そうなるよね。
変に疑われるなら別々に戻れば良かったかな…。

「怪しくないよ。ちょっと私が…」

「俺が部屋番号忘れてウロウロしてたら、たまたま廊下で会って」

「やだ迷子?可愛い!赤葦さん、意外とうっかりしてるんだねー」

「……」

気分悪くなったこと、隠しといてくれるんだ…。
今の言い訳、咄嗟に考えたのかな?
それともあらかじめ…?

元いた席に座る赤葦さん。
その隣にすかさず友達が腰掛けて、お酒を勧めてる。


ちょっと…距離近くない…?
赤葦さんのこと気に入ったの?
何気に腕触ってるし…。
あ、でもさりげなく交わされた。

………。

やだ…
何盗み見してんのよ。


自分の行動が気持ち悪くなって、慌てて幹事役に徹することにする。

「ドリンク頼む人いますかー!」

みんなに声を掛けた途端、次々とアルコールの名前が上がる。

「ちょっと光太郎さん、あんまり飛び跳ねるとお酒こぼしますよ!」

「え?うおおっ!!」

「あーあ、言ってるそばから。おしぼり…」

「はいはい、どうぞ」

まるで大きな弟みたいな光太郎さんのお世話をしている横から、赤葦さんの腕が伸びてきた。


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