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日章旗のデューズオフ

第14章 【拾壱】岩&風&霞(鬼滅/最強最弱な隊士)



建前も何も無い抜き身の刀のような言動だ。俺とて、理不尽に謗られて嫌われる事へは或る程度の耐性が出来ているとはいえ、傷付かない訳では無い。心の声に素直な人間相手に、真摯な対応をするというのは骨が折れる。何故ここまで風当たりが強いのか分からないが、適当に逆捩を食らわせて回避する事も戦略的撤退の内だろう。
「お好きにどうぞ。でも何れそれは自分に返ってきますよ」
「え……?」
「良い行いも悪い行いも、巡り巡って自分に返ってきます。善因善果、悪因悪果、まぁ因果応報と云われる奴ですね。仏教の根底にある考えです」
「……」
「霞柱殿の言い分でいけば見方ひとつで俺の考えに一定の理解を示せる筈なのに、初めから貴方は俺が不誠実であると決め付けてる。不愉快です」
「……っ」
「戦いの場で貴方が危機的状況に陥ったところに偶然居合わせても、俺は今の感情を思い出して見捨てる選択肢を選び取るかもしれない」
「……脅してるの」
「まさか。ただ頭ごなしに他人を否定しないで欲しいだけですよ。人の行動には必ず理由がある。行動の側面を読み取って頂かないと困ります。言動の真意もね」
「……」
「要するに、俺は姐さんを物で釣ったのではなく、労う気持ちから、ああ言っただけ。まぁ多少は姐さんのやる気に繋がれば良いという思いもありますが。それだけです。ご理解頂けましたか」
「……」

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