• テキストサイズ

【HQ】繋がる縁の円

第11章 裏で動いた恋模様


‐赤葦side‐

計画を立てていた相手以外になら、黒尾さんにバレないとでも、思ったんだろうか。
残念だけど、みつが気付かせようとした相手は、一番手を出してはいけない相手だ。
もし、何かしたらりらとの関係どころか、今まで築いてきた俺の人間関係の殆どが崩れさってしまう。

「ケージくんが、計画立てられないなら、私が勝手にやろうか?きとりちゃん、騙されやすいだろうから出来るだろうし。周りにバレても、私一人でやった事ならケージくんに被害はないよ。
私は別に、あの人達から軽蔑されても構わない。まぁ、相手が親戚だから、最悪は身内からも嫌われるかも知れないけど。」

簡単に言ってくるみつに腹が立って、その胸ぐらを掴む。

「…あの人が、きとりさんが、りらの為に、どれだけ苦しい決断をしたか。どんな想いで、1人離れて暮らしてるか。お前、分かってる?
それが、きとりさん自身でしている贖罪なんだ。そんな、あの人を傷付けるような事をしたら、俺はお前を許さない。」

勢いよく、口から出てきた言葉。

それは、自分の中で隠し続けてきた本音。

何かをしたら黒尾さんに気付かれて、人間関係が崩れる、とか。

そんなもの、ただの言い訳で。

本当は、俺自身が、きとりさんを傷付けたくない。

俺は、人の為に自分を犠牲にする強さを持った、絶対に手に入らない女性に、二度目の恋をしていた。
/ 545ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp