第11章 裏で動いた恋模様
‐みつside‐
あの、復讐計画は、ある意味でケージくんの生き甲斐みたいなものだった。
姉ちゃんが、はっきりと‘人のもの’になってしまったから。
他に目を向けていないと、幸せになろうとしている姉ちゃんに何かしてしまいそうだったんだろう。
それを奪われて、ケージくんはおかしな行動を取るようになった。
姉ちゃんの住んでる家に頻繁に行って、ご飯を食べたり。
姉ちゃんのバイト先や、手伝っている店に、顔を出しては傍に居ようとする。
まるで、姉ちゃんと彼氏…コノハアキノリとの関係を壊そうとしているみたいだ。
10年も前に出会った、お互いの人生に影響を与え合う、運命に結ばれた2人が壊れる訳がないのに。
このままでは、もし2人が結婚だとか、恋愛としての最終段階に向かった時にケージくんの方が壊れてしまう気がした。
だから、何か1つでも遂げられる目標を見付けて貰いたくて。
「…ね、ケージくん。あの男共に何かしたら、テツローくんにバレちゃうかも知れないけど…。」
ある事を思い出させようとした。
他にも、居るでしょう?
姉ちゃんの心じゃなくて、体に大きな傷を負わせた‘女’が。
それを思い出して、計画を練って。
私に命令して。
何でもするから。
貴方の言う通りに動く事が、私の生き甲斐なの。
ケージくんは、誰の事を言ったか、すぐに分かったようだけど。
首を振って、拒否を示された。