第3章 貴良の過去
~貴良の回想~
「じゃあ、お父さんとお母さんは出かけてくるから、貴良、大人しくしていてね。」
「はーい。いってらしゃい!」
ボクは貴良。5歳。お父さんとお母さんはお出かけだから、今、おばあちゃんとお留守番。
ボクはお父さんとお母さんが大好き!だってだって!
お父さんはボクと一緒に遊んでくれるし、お母さんはボクのこと、すっごく褒めてくれるんだよ!
「貴良ちゃんは、お父さんとお母さん、大好きかい?」
おばあちゃんが聞くボクが答える
「うん、大好き!世界で一番好きなんだ!」
「そうかい。そうかい。」
でも、おばあちゃんとの夕食の前に電話がかかってきた。おばあちゃんが出る。
「はい・・・えっ・・・!?そんな・・・」
何があったんだろう?おばあちゃんは電話を切ると、ボクに必死で話しかける。
「お父さんとお母さん、交通事故に遭って・・・今病院だそうだよ!!今すぐ病院に行きましょう!!!」
交通事故・・・お父さんとお母さんが・・・
ボクはおばあちゃんと病院へ向かった。
病室でお父さんとお母さんがいる・・・お医者さんがこう言った。
「とても残念ですが・・・もう助かりません・・・もう少し救助が早ければ・・・」
・・・う・・・うそだろ・・・そんな・・・
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」