第3章 貴良の過去
「それから、おばあちゃんと暮らしていたんだけど・・・」
貴良くんは涙ながらに必死に話していた。
「おばあちゃん、オレが8歳の時、死んじゃったんだ。」
「それで・・・ここに来たんだ・・・」
「話長かったのに最後まで聞いてくれてありがとう。こんな長い話でも最後まで聞いてくれたのは、○○だけだよ。」
貴良くんは私の手を掴み頭を下げる。きっとすごく悲しかったんだろうな。
「貴良ー?起きてる?早く朝食食べろー」
令音さんが叫ぶ。
「はい!今行きます!」
貴良くんはいつも通りの笑顔になる。