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【トリップ】全てを知っている私が!【暗殺教室】

第28章 沖縄旅行は海の香り



ま、こんなクラブ入れる機会なんて今後ないだろうし、作る気もない。皆でそのまま進んでいると、
「ね、どっから来たの君ら?」
と女子が……というか女装した渚君が……声をかけられた。
「そっちで俺と酒飲まねー? 金あるから何でもおごってやンよ」
帽子をかぶった少年は同い年……に見える。
「………」
イケメグは見定めるように彼を見たあと、
「はい渚!! 相手しといて!!」
と渚君をグイグイ押した。
「え、ええ?」
「あんたなら1人でも大丈夫でしょ、『作戦』の下見が終わったら呼ぶからさ」
小声でイケメグが言うと、渚君は表情をキリ、と引き締めた。
「そっか、渚ちゃんって言うのか〜、俺ユウジな」
そう話す2人の影が遠くなる。……渚ちゃん頑張れ!

さて今度こそと進もうとすると、
「ようお嬢達、女だけ? 俺等とどーよ今夜」
と今度は男二人に話しかけられた。イケメグは二度も同じことがあって面倒になったようだ。
「あのねぇ言っときますけど…」
とキレかけた。それを優しく止めたのは矢田さん。
「お兄さん達カッコいいから遊びたいけど、あいにく今日はパパ同伴なの私達」
胸を(無意識に)強調するように腕を後ろに組み、矢田さんは愛嬌よく笑った。
「うちのパパ、ちょっと怖いからやめとこ?」
そう言ってコインのようなものを投げる矢田さん。
「ひゃひゃひゃ、パパが怖くてナンパできッか……」
男のひとりがそう言って笑うと、
「じゃ、パパに紹介する?」
と先程のコインのようなものを2人に見せた。途端にビキ、と男の動きが止まった。
コインのようなもの……と断定していなかったけど、バッチだ。真ん中に『凶』と入っている……えーとえーと、確かあれだ。私は必死にマンガの内容を思い出し、ようやくそれがヤクザのエンブレムな事に気がついた。
「ねだったらくれちゃって、スクバのチャームにしよっかなって」
少人数だが凶悪なヤクザのエンブレムを見て、男達は
「し…失礼しました」
と言って去っていった。
「いくじなし、借り物に決まってるのにね」
そう言ってウインクをする矢田さんを、みんなは賞賛の目で見つめた。


「へー、これビッチ先生に借りたんだ」
「すごいよあのひとは。ヤクザ、弁護士、馬主…仕事の時使えるからってあらゆるバッジ揃ってるの」
ああ、確かに酔っ払った時そんな事を聞いた気がする。頑張ってるのよー! と叫んでいた。
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