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【トリップ】全てを知っている私が!【暗殺教室】

第28章 沖縄旅行は海の香り




バッ、と岡野さんが上がる。枝や岩の突起を上手く利用してさっさと一番上へ。
「置いてくよ〜」
と手を振る岡野さん。皆もついていけてるけどあんなに早くはいけない。
「やっぱ身軽だな岡野は」
「あー、こういう事やらせたらクラス一だ」

前原の事が好き、と噂される岡野さんは天真爛漫で身軽。木村くんと並んでクラスでもトップのナイフ使いだ。

「…それに比べてうちの先生は」
「動けるのが3人中1人とは……」
烏間先生がイリーナ先生をおぶり、殺せんせーが入ったビニール袋をイリーナ先生の手首に巻き付けている。
「キャーゆれる!! もっと静かに登りなさいよ!! カラスマ!!」
……頭が痛い。

「しかし皆さん見事なバランス感覚ですねぇ」
「クライミングなら学校の裏山でもさせている。どんな場所でも暗殺を可能にするためには…基礎となる筋力とバランスが不可欠だからな」
「なるほどねぇ、フライボードを自在に操ったのもその成果ですね」
私は先頭を切るわけにはいかない…この回でそんなに中心になっちゃいけないからね…ので比較的後ろにいる先生達に近い訳なんだけど。
「いいから早く登んなさいよ!! 掴まる手が疲れてきたわ!!」
イリーナ先生がかなり暴れてる……。烏間先生の顔も死んでるし。

「…つうかビッチ先生何でついて来てんだ?」
「留守番とか除け者みたいで嫌なんだって」
目元が見えないのにスナイパーな千葉くんとイケメグがヒソヒソと話す。
「フン、足出まといにならなきゃいいけどな」
そう皮肉げに言うのは寺坂だ。確かにこうしてるとイリーナ先生がすごい人には見えないしなあ。というか崖上りをするだけで皆の特徴が見えてくるなんて、こんな特異なクラス無いと思うんだ。

こうして皆が崖を登り終えると、確かに警備のない通用口があった。
『この扉の電子ロックは私の命令で開けられます』
律がパチンと指を鳴らす(もちろん画面内で)と、ピピッといって電子ロックが開いた。
『また、監視カメラも私達を映さないよう細工できます。ですが、ホテルの管理システムは多系統に分かれており、全ての設備を私ひとりで掌握するのは不可能です』
律はあくまで最重要な部分しか掌握出来ないから、その他の部分は私達で頑張るしかない。

「…さすがに厳重だな。律、侵入ルートの最終確認だ」
烏間先生がスマホに向かって言う。

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