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【トリップ】全てを知っている私が!【暗殺教室】

第28章 沖縄旅行は海の香り



「私兵達の厳重な警備のもと…違法な商談やドラッグパーティーを連夜開いているらしい。政府のお偉いさんともパイプがあり、うかつに警察も手を出せん」
烏間先生はいつも以上に眉間にシワを寄せ厳しい表情をしている。

「ふーん、そんなホテルがこっちに味方するわけないね」
カルマ君が当然のように言うが、吉田くんは顔面蒼白で烏間先生に訴える。
「どーすんスか!? このままじゃいっぱい死んじまう!! こっ…殺される為にこの島来たんじゃねーよ!!」
そんな吉田くんに原さんは
「落ちついて吉田君。そんな簡単に死なない死なない。じっくり対策考えてよ」
とE組の母らしく声をかけた。
「お、おお。悪ィな原」
吉田くんも平静を取り戻したようだ。……そういえばこの2人家近所で仲いいんだっけか。クラスでもよく話しているのを見かける。

「言う事聞くのも危険すぎんぜ。一番チビの2人で来いだァ? このちんちくりん共だぞ!? 人質増やすよーなモンだろ!!」
ドスドスと茅野ちゃんと渚君の頭を叩く寺坂。そうか、一番背が低いのはこの2人だ。
「第一よ、こんなやり方する奴等にムカついてしょうがねぇ。人のツレにまで手ェ出しやがって」
寺坂にとってツレ、とは友達の意味らしい。確かに寺坂組は狭間さんと村松君がウイルスに感染している。

「要求なんざ全シカトだ!! 今すぐ全員都会の病院に運んで…」
「…賛成しないな」
寺坂に異議を唱えたのは竹林くんだ。将来の夢が医者という彼は医学に詳しい。

「もし本当に人工的に作った未知のウィルスなら、対応できる対ウィルス薬はどんな大病院にも置いてない。いざ運んで無駄足になれば、患者のリスクを増やすだけだ」
そして氷を持ってきて透明な袋に入れ出す。

「対症療法で応急処置はしとくから、急いで取引に行った方が良い」
「竹林…」
寺坂も一応納得したようで押し黙る。

殺せんせーの表情はここから見えないけど、烏間先生のスマホを見て何か考えているようだ。一方の烏間先生は手を顔に当ててずっと悩んでいる。

後ろからは苦しそうな声と咳。時間もない。



「良い方法がありますよ」

そんな中いつも通りの声でそう言ったのは殺せんせーだった。

「え…?」
「病院に逃げるよりは、おとなしく従うよりは」

そんな意見に調子が悪い人も殺せんせーの方を伺う。

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