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【トリップ】全てを知っている私が!【暗殺教室】

第28章 沖縄旅行は海の香り



「いや…もう想像しただけで…鼻血ブ…いや…あれ……」
「岡島君!!」
言葉通りボタボタと鼻血を垂らし机に突っ伏す。

それが皮切りになったように、皆はガタガタと倒れだした。

「ちょ……何コレ」
周りを見渡す倒れなかった人たちは焦っている。
「か、烏間先生呼んでくる!!」
まだ動ける人たちで精一杯の対応をするが動揺は隠せなかった。



しばらくして、烏間先生が帰ってきた。調子が悪い人はウッドデッキの方にいさせ、私達は砂浜の方に移動した。そこで烏間先生から経緯を説明させられた。


「……単刀直入に言おう。狙いはこいつだ」
ひょい、と持ち上げられたビニール袋。中に入ってるのは殺せんせー。
「苦しんでる人がかかったのは人工的に作り出した未知のウイルスらしい。感染力は低いが1度感染すれば……」
そのまま言葉が切れる。
「そ、そんな……」
矢田さんが真っ青になって烏間先生を見つめる。

「……動ける生徒の中で最も背が低い男女に持ってこさせれば治療薬を渡す。機嫌を損ねればスイッチで爆破する、と。一時間以内に山頂のホテル……『普久間殿上ホテル』まで来い………という訳だ」

烏間先生がひとしきり説明を終えると低いため息をついた。

「……ひどい、誰なんですかこんな事する奴は!!」
後ろで倒れている三村くんや岡島くんの様子を見て矢田さんは怒り心頭と言うように烏間先生を問い詰める。
「………」
が、答えは帰ってこなかった。そこに烏間先生の部下で鶴田さん、鵜飼さんと並ぶ側近唯一の女子園川さんが帰ってくる。
「烏間さん…案の定ダメです。政府としてあのホテルに宿泊者を問い合せても…『プライバシー』を繰り返すばかりで……」
山頂のホテルを指さし明らかに焦り顔の園川さんとは別に、烏間先生はどこか諦めたような表情で目を細め
「……やはりか」
と呟いた。
「やはり…?」
殺せんせーの質問に答えるように烏間先生は語り出す。

「警視庁の知人から聞いた話だが、この小さなリゾート島『普久間島』は『伏魔島』と言われマークされている。ほとんどのリゾートホテルはまっとうだが、離れた山頂のあのホテルだけは違う。南海の孤島という地理も手伝い、国内外のマフィア勢力や、それらと繋がる財界人らが出入りしていると聞く」

とんでもない所に理事長も旅行にこさせてたもんだな……と乾いた笑いをする理事長を思い浮かべる。
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