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【トリップ】全てを知っている私が!【暗殺教室】

第28章 沖縄旅行は海の香り



「ヌルフフフ、対先生物質のプールの中にでも封じこめますか?」
烏間先生の手によってビニール袋に入れられたボール型殺せんせーは自慢げに笑う。
「無駄ですよ。その場合はエネルギーの一部を爆散させて…さっきのように爆風で周囲を吹き飛ばしてしまいますから」
「……!!」
烏間先生が顔を歪ませる。

「ですが、皆さんは誇って良い。世界中の軍隊でも先生を『ここ』まで追いこめなかった。ひとえに皆さんの計画の素晴らしさです」

殺せんせーはビニール袋に入れられたまま烏間先生に運ばれていった。

皆は海に浸かったまま黙りこくる。

たくさんの時間と労力を費やした計画。全員で頑張った暗殺を外した衝撃と、疲れ。

「……皆、ホテル帰ろうか」

私はこの後起こる事を分かっている。だから……

「早く帰って、休もう」
皆の体を大事にしたいんだ、どうか。

そんな慎重な意志が伝わったのかなんなのか。皆は言葉もなく気だるげに頷いた。

こういったら薄情かもしれない……私は、結果を知ってたから何もショックもない。

でも、これを糧に皆はまた前に進むんだ。


……私を置いて。








ビーチへと直接繋がるウッドデッキ。皆は椅子に腰掛けた。

「しっかし疲れたわ〜…」
「自室帰って休もうか…もう何もする気力無ぇ」
前原と三村くんの言葉に寺坂が
「ンだよテメーら、1回外した位でダレやがって。もー殺る事殺ったんだから明日一日遊べんだろーが」
と文句をつけるが、それに対する皆の反応は芳しくない。
「そーそー、明日こそ水着ギャルをじっくり見んだ。どんなに疲れてても全力で鼻血出すぜ」
岡島くんがタバコを吸うような仕草で人差し指と中指を口元に持っていく。それ以外の皆も大きくため息をついたり俯いたり元気じゃない。

それを見て渚君は何かに気がついたようだ。

机に突っ伏している人、ヨレヨレと頼りなく歩く子。

「渚君よ、肩貸しちゃくれんかね…部屋戻ってとっとと着替えたいんだけどさ、ちぃ〜とも体が動かんのよ…」
ドン、と渚君に肩をぶつけそのまま壁伝いにもたれこむ莉桜。
「なっ、中村さん!! ひどい熱…!!」
渚君はアワアワと莉桜の介抱をしようとするがそれも今度はつかの間違うところから声が聞こえる。

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