• テキストサイズ

片恋 《気象系BL》

第9章 言葉より大切なもの


〈智サイド〉

翔くんが俺の事を考えてくれると言った。

昨日は絶望の中、どん底まで落ちたけど
翔くんが俺の事を真剣に考えてくれてるだけで嬉しくなってしまった。

でもやはり翔くんに余計な負担は掛けたくない…

だから『無理しなくていい』と伝えた。

最初から届かぬ想いだと分かっていたんだから…

死刑宣告を2回貰うくらいなら翔くんの言う『少し待って』が永遠に来なければいいのに。


「大野さん、櫻井さん、スナップ写真何枚か頂いたので次ポーズをとったの何枚か撮らせてください」

スタッフさんが近づいてきて

「昔の写真と同じポーズで何枚か撮って今と昔で比較させたいんですけど、どれかいい写真ありました?」

「ん~、どうしようか、智くん」

さっきから同じ写真しか見てなかったからどれがいいと聞かれても…

「あっ、それいいじゃないですか」

スタッフさんが見てるのは翔くんが手にしてるあの写真。

「え、これですか?」

今、翔くんと抱き合えと言われても俺の気持ちを知ってしまった翔くんには嫌だろう…

そう思ってたのに

「分かりました」

と笑顔であっさりオッケーしてしまった翔くん。

大丈夫なのかな…

翔くんにしたら大した事じゃないのか。

俺にとっては大事なんだけど…
/ 592ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp