第2章 仕事の後のXmas night。
『おいしかったぁ。』
美味しい料理に食べるのがもったいないくらいのケーキ。
特にケーキを満足するまで食べれば、心は幸せ。
「満足した?」
『うん!大満足!』
このまま帰るのかな?
そんな風に思っていたら、不意に月島くんに名前を呼ばれる。
月島くんのほうを向けば、すうっと差し出される小さな箱。
『これ…』
「開けてみてよ。」
机に置かれた小さな箱を手に乗せ、リボンを解く。
緊張と、興奮で震える指で箱を開ければ、きらり、輝くゴールドのおつきさまのピアス。
『可愛い…』
そう口に出せば月島くんのことはくすりと笑う。
「知ってる?贈り物のアクセサリーには意味があるって。」
月島くんの右指が自分の首元を指す。
「ネックレスは”あなたと永遠にいたい””永遠に離さない”」
そして、左の指を。
「指輪は”永遠”」
そして…
「ピアスは…
”離れていてもいつも存在を感じている”」
にやり
弧を描く口元。
「僕がそばにいなくても、僕のことだけ感じてて。」
そう言い笑う月島くんは少しだけ意地悪な顔をして笑う。
その顔がどうしようもなく私の身体を熱くさせた。
『あ…の……』
「ああ、それと。」
月島くんが何かを胸ポケットから取り出し、私の前に滑らせる。
よく見ればカードキーで、今いるホテルの上の階を示している。
「…今すぐ”ここ”で”それ”付けてマーキングしたいんだけど。僕のものだって。」
夜のお誘い。
期待していなかったわけじゃない。
だから私は、こくり、首を縦に振り、言った。
『はやく…蛍のものに……して?』