第24章 二つ島~治療~ ★
大切にしたい。
これから先、共に歩んでいく沙羅を。
愛しくて、愛しくて、愛しくて。
かけがえのない存在の沙羅。
愛している。
言葉では伝えきれない想い。
名前を呼ぶだけで満たされていくのは、
沙羅と気持ちが通じ合ったからだろうか。
触れるよりも強く、
それでいて密着しない程度に弱く、
お互いの体温を共有し合うように、
マルコは沙羅を抱きしめた。
「好きだ、大事にするよい」
「うん・・・私も、大好き・・・」
互いの耳元で囁くように交わされる言葉。
自身の想いを真っ直ぐに伝え、沙羅の言葉に嬉しそうに見つめるマルコ。
自身の想いを言葉にすることに恥じらいつつ、マルコの言葉に嬉しそうに見つめ返した沙羅。
「「・・・」」
見つめ合う距離がゆっくりと縮まる。
背中を支えていたマルコの右手が上を向いた沙羅の頭を支えるようにそっと添えられた。
吐息を感じる程に縮まれば、その距離は零になった。
“オメデトウ”
“ヨカッタネ”
“オメデトウ”
海は謳う、喜びの歌を。
有明月と静かに瞬く星々の下で、
二人は誓いのキスを交わした。