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幸せになりたい!『刀剣乱舞』

第9章 第九章


「おはようございます、大典太光世さん…朝早いんですね?」
「あんた、寝ながら俺を呼んだのか」
「いや、私も寝ながら呼びたくはなかったんですけど…ただすこぶる腰の具合が悪くてですね」

起き上がらせてくれるだけでいいんですよ、はい。そうじゃないとトイレにだって行けませんし?ずっと薬研くんの部屋に寝泊まりする訳にもいけませんからね。と言う事を伝えてベッドから軽く動いて見るとピキーン!と腰の痛みが走った。これは本気で不味いかも知れない。

「すみません、大典太さん助けて下さい」
「俺に出来る事はたかが知れているが…」
「いや、本当に助けて貰わないと腰が痛すぎて全く起きられそうにないんです」

大典太さんしか私を助けられる人はいません、なのでヘルプ!そう目で訴えると私の近くまで寄り優しく身体を持ち上げられて起き上がった。ピキーン!とまた腰が痛む…畑仕事を張り切らなければ良かっただろうかと手を後ろへ回し腰をトントンと軽く叩いた

「大典太さん…ありがとうございました」
「いや…俺は特になにもしていないからな」
「あ、ちなみに…天下五剣の貴方に頼むのはとても気が引けるんですけど」
「……今度はなんだ」
「いや…本当に図々しいお願いなんですが、厠まで連れて行って貰えないでしょうか」
「……」

以下にもどうして俺が。という痛い視線がグサグサと刺さった。いや…私だって恐れ多い天下五剣様に厠までの付き添いとかしたくないけどさ、身体が自分の意思で動きそうにないんだもの…しかしこの歳で人の寝室でオネショなんて私は死んでもいいと思うんだ。と言うか審神者を辞めて死にます、今すぐに死なせて下さい。となる訳だ。

「…ごめんなさい、でも大典太さんしか頼める一振りがいなくて」
「…はぁ、俺にこんな事をさせるのはあんたが初めてだ」

そう大典太さんは呟くように言うと私を優しく抱き上げてくれた。彼の腰を貸してくれたら良かったのに、まさかお姫様抱っこをされるとは驚いてしまう。大典太さんは顔が少し怖いと思っていたけれど、とても優しくていい人じゃないかと揺られる身体を大典太さんに身を任せて厠まで連れて行って貰った。

+++

「はぁ…本当に助かりました」
「あんた、昨日は大丈夫だったのか」
「昨日…あぁ池ポチャですね。まぁなんとか…まさかあんなに深いとは思っていませんでしたよ」
「それで身体を痛めたのか」
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